1987年に大学を卒業した後、外資系の会社を皮切りに、PR代理店、フリーランス、19年近く勤務した京都造形芸術大学における広報業務と、私は社会に出てからおよそ30年間、多くの方々のお世話になりながら、広報の分野を中心にたくさんの経験をさせていただいて参りました。

この30年の間に少しずつ芽生えた問題意識があります。

それは、まとまった予算のある大きな組織にばかり発信力が集中し、「良いものを持っている」のに世間に知ってもらう力の無い中小組織との間にある、厳然とした発信力の格差に対する気持ちです。

このような発信力格差を埋めるために何かお役に立てる方法は無いだろうか?この気持ちが、私の起業に向けた気持ちの原点です。

果たしてどのような形で業務を進めていけばこの問題に貢献できるのか、当分はTEST & LEARNを繰り返すことになるでしょうが、いつの日か起業して良かったと思える日を目指して頑張りたいと思っております。

そして、更にもうひとつ、私の心の中で消すことのできない「灯火」のようなものがあります。

それは、この20年近くお世話になった京都造形芸術大学の創立者である徳山詳直前理事長が、生涯かけて追求された「芸術による国づくり」すなわち「藝術立国」への志です。徳山詳直氏は、同志社大学在学中に左翼活動に身を投じ、幾たびか投獄されたそうですが、その獄中で書籍を通じ吉田松蔭と出会ったことで、芸術の大学を作り、芸術による国づくりという志を立てました。

私は、徳山詳直前理事長の志に深い共感を抱いて京都造形芸術大学に入職し、志を共にして参りました。同氏が2014年に他界されて数年経つ現在もその気持ちは変わりません。

それらのことから、新しくスタートする会社は、私自身が得意とする広報の経験を活かしながら、「芸術」や「デザイン」、またはこの国の先人たちが育んできた「美意識」や、現在のアーティスト、クリエイター、デザイナーから生まれる新しい価値観などを社会と繋ぎ、より豊かな社会への一助となることを目指したいと考えています。

どうか末長くお引き立てのほど、よろしくお願いを申し上げます。

なお、吉田松蔭の命日を京都造形芸術大学の創立日と定めていた徳山詳直氏にならい、徳山氏の命日の10月20日を株式会社パルティスのスタート日といたしました。

2018年10月20日

株式会社パルティス 代表取締役 鈴木苑子