組織が「広報」に力を入れようと思った時、主な選択肢は以下の2つです。

①PR代理店に依頼する

②自前で広報部門を組織する

 

①を選択した場合のメリットは、「即戦力」。代理店によって得意分野が分かれますが、その組織の業務分野を得意とする代理店に頼めば、すぐに大きなパフォーマンスを上げてくれることでしょう。

一方で、いくつかデメリットがあります。

ひとつは高い費用です。広報は、日々の小さな業務の積み重ねが必要で、その業務量は膨大です。PR代理店に外注すると多額の費用がかかるのは、常に若いスタッフを教育しながら、専門性を持ちつつその膨大な業務をこなす人材を抱えているからです。PR代理店の費用は人件費そのものなのです。

ふたつ目は、代理店の立ち位置がその組織の現場から遠いこと。

お金を使って媒体スペースを買い、宣伝展開をする「広告」とは違い、「広報」は世間のみなさまから興味を抱いていただく切り口を見出し、発信していくところにその極意があるのですが、より良い切り口を見つけるためには、高い広報センスを持ちながら、少しでもその組織の現場近くに身を置くことが肝要です。その組織内に出向して業務に当たってもらえる場合を除き、この点が代理店の最大の弱点と言えるでしょう。また、代理店とその組織の間にある距離は、成果の証明としてまとまった報告書の作成という更なる業務を代理店に生むことにもなります。

3つ目は、その代理店との契約が切れると、その組織にノウハウが残らず、また元の木阿弥になるという点です。もちろん報告書は残してくれることでしょうが、報告書を見るだけではその続きの業務はできません。

一方、②を選択した場合のメリットは、費用の点は別として、上記デメリットの逆。その組織の現場近くで広報の種を拾い上げることができ、その経験値はその組織の財産として蓄積されます。問題は、どうやって広報のノウハウを組織内に取り込むことができるかということでしょう。多くの場合は、経験者を広報部門に雇い入れ、組織内に広報機能を育てていく訳ですが、広報経験者の人件費相場は相応に高く、また人材の当たりはずれもあり、費用と時間がかかります。

 

何れにしても上記のふたつの選択肢は、資金力のある大きい組織しか採ることができない手段で、とても良いものを持ちながら世間に知ってもらう術を持たない中小の組織との間には、大きな「発信力格差」が存在する所以です。

 メリットデメリット
PR代理店即戦力費用が高い
現場と距離がある
ノウハウが残らない
独自の広報部門現場と距離が近い部門が出来上がるのに時間がかかる
経験値が組織内に残る(専門の職員を雇うと)費用が高い